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三浦半島の野菜 キャベツ


 大きな市場である首都圏に位置する三浦半島では、キャベツ・ダイコン・スイカ・ミカン・イチゴなどの野菜や果物の栽培が盛んです。特に春キャベツの栽培は有名です。また、三浦市の神奈川県水産技術センターが研究開発し、廃棄されるキャベツを用いウニ(キャベツウニと呼ばれる)を育成することでも知られています。多くの料理に供するキャベツ Brassica oleracea var. capitata はアブラナ目 Brassicales アブラナ科 Brassicaceae の植物で、西欧に分布するヤセイカンラン Brassica oleracea L. が栽培化されたものです。同じヤセイカンランから栽培化されたものに、メキャベツ B. oleracea var. gemmifera、ブロッコリー B. oleracea var. italica 、カリフラワーやロマネスコ(ともに B. oleracea var. botrytis) などがあります。これらは全て同じ種に属します。
 これらの中でもロマネスコは同じ形が入り組んで繰り返される(自己相似性を示すフラクタルと呼ばれる)特異的な形態をとることで知られています。 この形に関して、カリフラワーやロマネスコに似た構造が特定の条件のもとで複雑に入り組んだ遺伝子ネットワークにより形成されることが、モデル植物であるシロイヌナズナ Arabidopsis thaliana の花芽形成や花形態形成に関わる遺伝子の発現様式を模した数理モデルに基づくシミュレーション研究で示されています(Azpeitiaら 2021)

参考文献
  1. Eugenio Azpeitia, Gabrielle Tichtinsky, Marie Le Masson, Antonio Serrano-Mislata, Jérémy Lucas, Veronica Gregis, Carlos Gimenez, Nathanaël Prunet, Etienne Farcot, Martin M. Kater, Desmond Bradley, Francisco Madueño, Christophe Godin, Francois Parcy (2021) Cauliflower fractal forms arise from perturbations of floral gene networks. Science. 373:192-197. doi: 10.1126/science.abg5999
© 2022 Research Center for Integrative Evolutionary Science, SOKENDAI