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南極観測船「しらせ」(横須賀港)


南極観測船は、南極で様々な分野の研究を行う観測隊員・それを支える職員とともに現地での観測に必要な物資を運ぶ重要な役割を担っています。長期の航路のため日本国内で姿をみせる機会は少ないのですが、時期によって海上自衛隊横須賀基地で停泊している姿を見せることがあります。というのも南極観測船は「砕氷艦」として海上自衛隊が運用しているからです。現役の南極観測船「しらせ」は通常の大型船とは異なり艦首は独特の丸みをおびた形をしています。南極海周辺では氷により行く手を阻まれることもありますが、船の推進力で頑丈な船首から氷の上にのりあげ、その重さで氷を砕き少しずつ前進することもできます。国立極地研究所の研究者の方に伺ったところ、その特殊な構造のため航海中の船の揺れは他の船とは異なった独特のものとのことです。
現役の南極観測船「しらせ」(2代目)より前に活躍し現在は退役している南極観測船「しらせ」(初代)は気象情報会社「ウェザーニューズ」に売却、その後WNI気象文化創造センターに移管され「SHIRASE」として船橋港に係留されています。また二代目南極観測船「ふじ」は名古屋港ガーデンふ頭に、初代南極観測船「宗谷」は東京の船の科学館に保留されています。
総研大事務職員・馬場隊員(第63次南極地域観測隊の越冬隊庶務・情報発信担当)による南極からのメッセージ
 第一回 横須賀から南極へ
 第二回 昭和基地へ到着
 第三回 昭和基地での仕事
 第四回 越冬生活
 第五回 冬を終えて

横須賀港(本港) -ナウマンゾウ発見の地-


横須賀港の近代化は1865年に建設された横須賀製鉄所(その後明治時代に横須賀造船所へと改称)に端を発しています。その歴史を示す江戸時代(幕末)に建設されたドライドックは現在でもアメリカ海軍横須賀基地内に残っています。半島の山を削りだすという大がかりなドライドックの建設中にはゾウのあごの化石が発見されました。化石はドイツ人の地質学者 Heinrich Edmund Naumann(東京帝国大学 地質学教室 初代教授)によって研究・報告されましたが、1924年にはこの種が槇山次郎によって Elephas namadicus naumannni 和名 ナウマンゾウと命名されています。横須賀港は日本におけるナウマンゾウ発見の地でもあります。

参考文献
  1. 横須賀市自然・人文博物館 HP
  2. Makiyama, J (1924) Notes on a Fossil Elephant from Sahama, Totomi. Memoires of the College of Science, Kyoto Imperial University, Series B, 1:255-264
    jPaleoDB で公開されている槇山次郎博士のナウマンゾウの記載標本 1, 2, 3, 4, 5
© 2022 Research Center for Integrative Evolutionary Science, SOKENDAI