入江 直樹 教授
進化発生生物学
入江 直樹
教授
研究分野 | 進化発生生物学 |
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我々人類の末裔が多数の手と複数の顔を持った阿修羅像のような姿をした生物種に進化する可能性はどのくらいあるんでしょう。ヒトの体は受精卵から体ができる過程(発生過程)で形が決まっていきますが、この発生過程のどこをどう変えていけば、最終的に劇的な進化につながるのでしょう?突飛な疑問に聞こえますよね。そうなんです、実際、現代生物学ではこうした表現型の進化可能性の問題にはほとんど答えることができてません。研究室では、こうした進化可能性や進化予測といった問題に対し、主に動物を対象に取り組んでいます。どんな手法で?そうですね、問題を解くためなら手法にはとらわれず、一緒にどんな研究戦略で進められるかを考えながら取り組みます。分子生物学的な実験、発生学実験、ゲノム解読、遺伝子発現データや単一細胞レベルでのマルチオミクス解析、機械学習、共同研究を通した理論研究などなど。研究手法にはこだわりません。また、研究テーマは大学院生が自ら提案した計画をベースに発展させながら進めることもできます。実際、自分もそうしていまの研究テーマにつながる研究をスタートさせました。学院生、ポスドクには独立した科学者として成長してもらい、次の時代を担ってもらうことを重視しています。一度きりの人生、人類の叡智を広げることに挑戦してみませんか?
代表的な論文、著書等
- 1.Hu H., et al. (2017) Constrained vertebrate evolution by pleiotropic genes. Nature Ecology and Evolution 1:1722–1730. doi:10.1038/s41559-017-0318-0
- 2.Seki R., et al. (2017) Functional roles of Aves class-specific cis-regulatory elements on macroevolution of bird-specific features. Nature Communications 8:14229. 10.1038/ncomms14229
- 3.Green R., et al. (2014) Three crocodilian genomes reveal ancestral patterns of evolution among archosaurs. Science 346:1254449. doi:10.1126/science.1254449
- 4.Wang Z., et al. (2013) The draft genomes of soft-shell turtle and green sea turtle yield insights into the development and evolution of the turtle-specific body plan. Nature Genetics 45:701-706. doi:10.1038/ng.2615
- 5.Naoki N. and Kuratani S. (2011) Comparative transcriptome analysis reveals vertebrate phylotypic period during organogenesis. Nature Communications 2:248. doi:10.1038/ncomms1248
- 6.入江直樹. (2016) 胎児期に刻まれた進化の痕跡 慶應大学出版会