颯田 葉子 教授

ゲノム集団遺伝学・生理進化学

颯田 葉子 教授

颯田 葉子

教授

研究分野 ゲノム集団遺伝学・生理進化学
Google Scholar
ResearchMap
E-mail

颯田 葉子 教授

ー環境変化に適応した生物の特性を支える遺伝的基盤の解明ー、科学・技術の発達により空前の繁栄を謳歌した人間は現在様々な問題に直面している。このような問題の根本原因のひとつには「人間」が自分自身の生物としての存在を十分認識していないことに起因する。生物としての存在を認識するためには、「人間」が自然界のなかでどのように進化してきたかを知ることが肝要である。一方形態や生理などの表現型進化の多くは、その時その時の環境に適応した個体が子孫を残し、生き残ること(「自然選択」)により進められてきた。「人間」の存在もその様な環境適応の結果であるといえる。つまり私たちの存在は現在の環境に適応したものであり、その意味で私たちのゲノムの中には環境適応の特異的な様子が描かれている。私たちの研究室ではこのような環境適応をゲノムレベルで明らかにし、「生物としての人間」とは何か明らかにすることを目指す。
現在までに取り組んでいる課題は
1) 環境適応や環境応答関連遺伝子(免疫関連や、感覚受容体遺伝子、疾病関連遺伝子)の多様性と起原を探る。
2) 環境適応や環境応答関連遺伝子の種間での発現量の相違と種の特異性との関連を探る。
3) ヒトの精神活動の基盤となる遺伝子の進化を探る。
4) ヒト特異的偽遺伝子(機能を失った遺伝子)のヒト進化への影響を探る。

代表的な論文、著書等

  • 1.Lau Q., Y. Yasukochi, Y. Satta*. (2015) A limit to the divergent allele advantage model supported by variable pathogen recognition across HLA-DRB1 allele lineages. Tissue Antigens 86: 343-352, doi:10.1111/tan.12667
  • 2.Suzuki-Hashido N., T. Hayakawa, A. Matsui, Y. Go, Y. Ishimaru, T. Misaka, K. Abe, H. Hirai, Y. Satta*, and H. Imai*. (2015) Rapid expansion of phenylthiocarbamide non-tasters among Japanese macaques. PLoS ONE 10, e0132016. doi:10.1371/journal.pone.0132016
  • 3.Takahashi-Kariyazono S., Y. Satta, Y. Terai*. (2015) Genetic diversity of fluorescent protein genes generated by gene duplication and alternative splicing in reef-building corals. Zoological Letters 1:23 doi:10.1186/s40851-015-0020-5
  • 4.Yasukochi Y. and Y. Satta*. (2015) Molecular evolution of the CYP2D subfamily in primates: purifying selection on substrate recognition sites without the frequent or long-tract gene conversion. Genome Biology and Evolution doi:10.1093/gbe/evv056
  • 5.Kawashima A. and Y. Satta*. (2014) Substrate-dependent evolution of cytochrome P450: rapid turnover of the detoxification-type and conservation of the biosynthesis-type. PLoS ONE doi:10.1371/journal.pone.0100059